まず絵が良い。従来ありがちなアニメでなく、尖ったCGでもない。
流麗な情感あふれる筆の線。和紙のような質感。色のにじみ。水墨画のような世界が動き出す様は新鮮。
音楽が良い。和の音をベースに、時に軽快に時に堂々と。あくまでも風のように耳に心地よい。
キャラクターが良い。個性たっぷりにギャグも忘れず。みんな愛すべき仲間たち。
謎解きや「筆調べ」はどれも秀逸。ゲームなど苦手なワタシでも、なんとかクリアできる難易度のさじ加減。
日本神話や昔話、ディレクター・神谷英樹の故郷である信州を元にした多くの人名や地名は、古代日本的な世界観を醸し、タイトルの「大神」には主人公が「天照大神」、「狼」であることの2つの意味が込められている。
キャラクターは加工された音で話し字幕で表されるが、情感はたっぷり感じられる。
そして一番は、しっかりと作り込まれた物語の面白さ。長編映画として観てみたいと思ってしまう。
ここでアレコレは言えないが、特にラスト近く、ラスボスの前に一度は倒れるアマテラス。
それぞれの地で彼を信じ、願う仲間たち。有りがちかもしれませんが、ココは泣けます。感動します。
エンドロールに流れる平原綾香の「Reset」も素晴らしい。
美しさと愛らしさと優しさ、爽快感と感動。とにかくやたらと気持ちのいい作品です。
いまだにファンの声は多く、ネット上でも様々なコミュニティで人気の高さがうかがえます。
つくづく残念なのはクローバースタジオが解散してしまったこと。
大神2が見てみたい。またみんなに会いたい。まだ観ぬ世界を走り回ってみたい。叶わぬ夢でしょうか。
コンテンツも面白い公式ホームページをぜひ覗いてみてください。皆さんもぜひラストをその目で。